「虫歯=歯が溶けている」ってご存知ですか?
2019年2月1日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
あなたは虫歯と聞くと何を思い浮かべますか?
虫歯になると歯に穴が開いてしまったり、痛くなってしまうイメージでしょうか?
そもそも虫歯ってどんなものなの?
虫歯を大まかに言うと、お口の中の細菌の作用によって歯が溶けるということです。
「虫歯は感染症」という言葉をお聞きになったことがある人もいるかもしれません。
歯を溶かす代表的な細菌としてミュータンス菌があげられます。
「ミュータンス菌という名前を聞いたことがある!」という人も多いのではないかと思います。
そうなんです。虫歯って歯が溶けているんです。
開いた穴は自然には埋まりません。
だから虫歯って自然には治らないんです。
ミュータンス菌が口の中にあるだけで虫歯になってしまうの?
細菌が歯をとかすには砂糖が必要です。
「キシリトールが歯に良い」とよく言われているのは、ミュータンス菌がキシリトールからは上手に歯を溶かす物質を作れないので、結果として、歯を溶かすことがなく虫歯にならないといった感じです。
生活の中で砂糖を取らないで生きていくのは無理なのでは…
しかし、生活の中で砂糖を全くとらないというのも無理がある話ですよね。
食事をすると歯が溶け始めます。(これを脱灰:『だっかい』と言います)
しかし、溶けてもある程度戻ります。(これを再石灰化『さいせっかいか』と言います)
実は、歯は溶けても、ある程度は元に戻る可能性があります。
この状態を初期う蝕(しょきうしょく)と言って、フッ素の活用や自宅でのお口のケアなどで、再石灰化優位な状態を保てたら、虫歯が進行していきません。
虫歯あるある、その1 「ショック!表面からは大きな虫歯に見えないのに、歯の中で大きな虫歯に広がっていた!」
歯は、表面からエナメル質、象牙質、歯髄(いわゆる神経ですね)と言った順になっています。
エナメル質は歯の表面にあるだけあって、象牙質と比べると虫歯に対しても強いです。(溶けにくい)
「歯の表面に少し黒いとこがあるなぁ」と思っていたら、実は歯の中にゴッポリ大穴があいているということも…。
虫歯が進行していくとエナメル質を溶かし、象牙質まで到達します。
エナメル質よりも象牙質の方が溶けやすいので、歯の中で大きく虫歯が広がってしまうことがあります。
中で虫歯が広がるなんて厄介ですよね。
歯と歯の間も、中で広がるという点では同じような感じです。
虫歯あるある、その2「しみるから知覚過敏だと思っていたら、虫歯だった…」
虫歯が進んでいくと神経近くまで溶けていきます。
象牙質に刺激が伝わると、しみたり神経の反応が起こります。
虫歯でしみたりする場合は、すでに象牙質まで虫歯が進行している可能性が高いかもしれません。
また、虫歯でしみているなら虫歯は大きいかもしれません。
しかし、しみるからといって、必ずしもむし歯ではないケースもあります。
知覚過敏や歯ブラシでゴシゴシこする人は、虫歯でなくても歯がしみることもあります。
虫歯あるある、その3「虫歯をほっておいたら、ズキズキした痛みが出てきた」
さらに進行して神経まで虫歯が影響を及ぼすと、ズキズキ痛むこともあります。
虫歯で歯に穴が開いてしまっていたら、さらに治療も大変になります。
神経の治療は、歯科医院で「長く治療がかかる治療ナンバー1」です。
患者さんも通うのが大変、治療する歯科医師もとても大変です。
虫歯を作らない・早めに治療することが、通院回数も痛みもかかるお金も少なく、歯も失わない方法です。
まずは定期的に虫歯のチェックにぜひいらしてください。
もしむし歯ができてしまっても、早めに見つけて、小さいうちに一緒に治してしまいましょう。
まとめ
いかがでしたか?
- 虫歯は、細菌と砂糖によって、歯を溶かされている状態です。
- 一見小さなむし歯でも、歯の中で大きく広がっていることもあります。
- 虫歯が進行すると、しみたり、ズキズキした痛みが出てくることがあります。
- 検診で早めのチェックをして、通院回数も痛みもかかるお金も少ない予防を一緒に行いましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。