口呼吸は万病のもと!?体調不良と呼吸の関係
2020年3月23日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
いやはや、コロナウイルスのせいで世の中大変な状況ですね。
世界の状況と比べると日本の状況は、まだマシな気がします。
ですが、色んな物が足りなくなったり、学校がお休みになったり、お仕事に支障が出ておられるケースもあろうかと思います。
つぼい歯科クリニックにご来院される患者さんの中にも、お疲れがたまってきた…という方も増えて来た印象です。
ストレスが歯の痛みを直接的に引き起こすということは、一般的にはありません。しかしストレスが高まったときに、歯に違和感が出ることはあります。
歯の周囲には多かれ少なかれ細菌がおり、ストレスなどで体の免疫力が低下すると、歯茎の腫れ、歯が浮くように感じられる、口臭の悪化、歯の根の先の炎症の再発などがおきる可能性が高まります。心あたりはありませんか?
口呼吸が疲労を引き起こす
実は疲労の原因の1つが口呼吸と言われています。
口呼吸は鼻呼吸と比較すると、 体への酸素供給量を減らしてしまうことから、 疲労、倦怠感、無気力などを引き起こします。
口呼吸は鼻呼吸より感染リスクが高い
また感染症に対する抵抗力も、鼻呼吸の方が優れています。
鼻で呼吸すると、外気を鼻から気道に取り込む過程で、鼻毛や粘液がウィルスなどの異物を絡めとりますし、湿度や温度を上昇させることができます。
従って口呼吸と比べて鼻呼吸は、風邪やウイルスをもらいにくくなるのですね。
口呼吸の原因は鼻づまり!?
2012年にアメリカで出版された「小児歯科学の原則と実践」によると、 口呼吸の85%は鼻の閉塞や鼻づまりなどによる鼻の気道の狭さが原因で、 自分が望んでいないにも関わらず、口呼吸を強いられている…と報告されています。
鼻づまりの原因は以下のようなものが挙げられています。
鼻づまりの主な原因
- アレルギー性鼻炎(花粉、ハウスダストなど)
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
- 妊娠性鼻炎
- その他鼻過敏症
- 鼻ポリープ(鼻たけ)
- アデノイド増殖症(肥大)
- 食物アレルギーによる鼻づまり
- 風邪
- 口唇閉鎖不全
- 親指や指吸引癖などの習慣
- 喫煙・飲酒
鼻づまりは歯科のみで解決する問題ではなく、耳鼻科的な観点での治療も必要です。
歯科矯正によって鼻詰まりが改善するというケースも
一方で、歯列矯正によって口の大きさを横に拡大することで、気道の体積(大きさ)が改善できるとの報告もあります。
鶏が先か、卵が先か…というお話にはなると思いますが、歯並びを治したので鼻閉が治る場合や、鼻閉がなおったので歯並びが改善する場合、両方が知られています。
鼻づまりと歯並びの両者が密接に関係しているのは、論文でも報告されていますし、臨床家として治療に携わっていても強く感じるところです。
コロナウイルス対策や花粉症対策としてマスクの使用も多く、辛い時期とは思いますが、鼻呼吸を意識して体を整えていくことも大切です。
気になることがあれば一度ご相談くださいね。
まとめ
- ストレスが高まると、歯のトラブルも増える傾向にあります。
- 口呼吸では疲労感が増しやすい傾向にあり、風邪もひきやすい傾向にあります。
- 鼻づまりの原因は様々にありますが、85%は自分の意思に反して口呼吸を強いられています。
- 歯並びを治したので鼻閉が治る場合もあり、鼻閉がなおったので歯並びが改善する場合もあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。