歯を失ってしまった場合の治療について ~その2~ブリッジ
2019年11月7日
こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
前回は歯を失ってしまった場合の治療法について「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」という治療法があることをご説明しました。
特に「入れ歯」について詳しくお話しましたので、ご興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
参考 歯を失ってしまった場合の治療法について その1
今回はブリッジによる治療について、詳しくお伝えしていこうと思います。
ブリッジについて
ブリッジというのは、「被せ物」の一種で、失ってしまった歯の前後の歯に被せ物をして、失ってしまった歯の部分を補うダミーの歯と、前後の被せ物をつなげた形をしています。
前後の歯とダミーの歯で、橋のような形をしていますので、ブリッジと呼ばれます。
入れ歯が取り外しができるのに対して、ブリッジは歯に接着するので取り外しはできません。
<ブリッジの良い点>
- 歯にしっかりと固定するので、揺れにくく、噛み心地が天然の歯に近い。
- 出し入れしなくて済むので、入れ歯を出し入れするところを人に見られる心配がない(入れ歯を出し入れする姿を人に見られたくないと言う方、多いですよね…)。
- 入れ歯のように、留め具や金属の棒など、邪魔になるパーツが口の中に無い。
- 歯があったときと同じ配置でダミーの歯が配置されるので、パーツが舌に触って話しにくいということがない。
(ただし、ダミーの歯の場所によっては息が若干もれる、ダミーの歯と歯茎のスキマが気になる、などのケースもあります) - お手入れ方法が歯磨き、歯間ブラシと、歯があった時と同じ方法のまま。
- 金属のバネが見えるなど「あ、入れ歯だ」を見てわかるパーツが無い。見た目は入れ歯よりも良い。
<ブリッジの良くない点>
- 前後の歯を大きく削る。
すでに前後の歯が神経を取った歯であったり、すでに被せ物をしてある歯であれば、それほどのデメリットではないかもしれませんが、
むし歯になったことのない歯であっても削らないとならないので、この場合はかなりのデメリットであると言えます。 - 失った歯の位置や本数によって、ブリッジが選べないことがある。
どの治療もそうなのですが、力のバランスもしっかり考えないと、土台の歯への負担が大きくなってしまいます。
ダミーの歯の分まで、前後の歯で噛む力を負担するわけなので、無理な設計をすると歯が折れてしまうためです。
また、前後の歯を土台にするので、前後に歯がないと出来ないことも多いです。
前後に歯があっても失った歯の本数によっては土台の負担が大きすぎる構成となるため、出来ないこともあります。
無理な設計は保険治療では保険が通らないようになっていますし、自由診療でも(歯が折れてしまうリスクが高いと最初から分かっているので)お断りすることになります。
また、保険で「この設計ならブリッジにしても良いよ」と決まっている設計でも、噛む力が強い方や、歯ぎしり・食いしばりがある方、土台となる前後の歯が「神経を取ってしまった後、太い金属の土台(メタルコア)が入っている」ケースなどでは、土台の歯が折れてしまうこともあります。
リスクの度合いは「土台となる歯の状態」「設計」「歯ぎしり・食いしばりなどの癖」などによりますので、詳しくは担当医にご質問くださいね。
・お手入れの難易度が部分入れ歯より難しい。
お手入れ方法は歯磨き・歯間ブラシと今までと同じなのですが、取り外して洗浄できる部分入れ歯より、難易度は高いです。特にダミーの歯と、土台の歯の被せ物がつながっている部分はお手入れが足りないと虫歯になりやすいので要注意です。
歯科医院で定期的に、虫歯ができていないか、ちゃんとお手入れできているかチェックを受けた方が良いでしょう。
色々デメリットもありますが、部分入れ歯と比べると噛むということに関しては、ブリッジのほうが有利かなぁと個人的には思っています。
まとめ
・個人的には、しゃべりやすさ、見た目、噛み心地の面では、入れ歯よりブリッジがおすすめです。
・ブリッジは前後の歯を大きく削ること、お手入れが不足すると前後の歯が虫歯になるなどしやすい短所もあります。
・ブリッジがそもそもできない症例も少なくありません。
インプラントによる治療については、また今度の機会にさせて頂ければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。