ご自宅で出来るホワイトニングと、美容院やサロンのホワイトニング
2023年5月21日
こんにちは、岩国市のつぼい歯科クリニック
おとなこども矯正歯科 院長の坪井です。
最近、美容院や美容サロンで
歯のホワイトニングをやっているところや、
通販サイトやスーパーで
ホワイトニングを自分で出来る!
と謳った商品をよく見かけるようになりました。
今日は、こうした
「歯科専門家無しで出来るホワイトニングの効果」と
歯科医院のホワイトニングとの違いについてのお話です。
「自宅で出来るホワイトニング」
「美容院のホワイトニング」
と
「歯科医院のホワイトニング」
の違い
★結論★
・歯の表面の汚れを薬液で減らすのが
自宅用・美容院用ホワイトニング。
・歯の表面の汚れを機械で除去し、
さらに歯の内部の色素を漂白するのが
歯科医院のホワイトニング。
・自宅・美容院でのホワイトニングでは、
歯科医院での歯面清掃ほどには
汚れは除去できない。
・歯の内部の色素のホワイトニングは
歯科医院でしかできない。
今回はちょっと長くなってしまうので
先に結論を書いておきました♪
歯のホワイトニング商品って
本当にたくさんありますよね。
ネット通販の広告ですとか
ビフォーアフターですっごく歯の色が
明るくなってる写真を見ると、
歯医者の私でも「ホントに!?」と
興味を持ってしまいます。
で、成分が広告内に書いてなかったりするんです。
本当に良いものなら、歯医者の私が
知らないワケにはいかない!と
調べたりするのですが
ほぼ「なーんだ」とがっかりします。
商品自体は、
「良く出来た歯磨き粉」
という感じで、悪くは無いのです。
ただその成分で、広告に出ているような
歯のトーンアップは無理でしょ!という感じです。
自宅用のホワイトニング製品
自宅・美容院では、
歯石を除去することはできません。
薬液は歯の表面の色素(ステイン)を
除去することに使います。
マウスウォッシュタイプ、テープタイプ、
歯磨きペーストタイプの製品は
概ね「ステイン除去をうたった
歯磨き粉とほぼ同成分」と思ってください。
「…たぶん、この成分をもって
ホワイトニングって言ってるんだろうなぁ」
という成分は、
「洗浄剤」「研磨剤」「着色除去剤」として
配合されています。
・ポチエチレングリコール
・フィチン酸
・ピロリン酸
・ブルーポリミド
などが、これにあたります。
割と一般的に、市販の歯磨き粉に
配合されている成分です。
デイリーケアとして悪くはありませんが
あまり高額な商品は、
コスパが悪いかもしれませんね。
自宅用のホワイトニング製品で
光照射するタイプ
ご自宅用ホワイトニングでも、
光照射するタイプのものは
・ポリリン酸ナトリウム
が配合されています。
これもステインを除去する効果が
あります。
あくまで、歯の表面の
汚れを取り除く成分です。
美容院・美容サロンの
ホワイトニングも
「ポリリン酸」を使用
椅子に座ってゴーグルをかけて
青い光を当てて…と言う姿が
歯科医院でのホワイトニングを
連想させるのですが、
歯科衛生士さんが研磨ペーストで
歯のお掃除をしてくれる歯面清掃を
薬液でやっているに近いです。
多少、ポリリン酸の濃度が高かったり
高出力の青色LEDでポリリン酸の効果を
高めたりはされています。
ポリリン酸ホワイトニング
VS
歯科衛生士さんに歯面清掃
どっちがより効果が高い?
では、衛生士さんの歯面清掃と
美容院でのポリリン酸ホワイトニングと
どちらがより綺麗に歯の汚れを
除去できるでしょうか?
これは、
歯科衛生士さんの圧勝です。
まず、ポリリン酸では歯石や
硬くなった歯垢は除去しきれませんし
ステインも一度にたくさんは取れません。
歯科衛生士さんは、物理的に
歯石やステインを綺麗に除去できるので
これはもう勝負になりません。
写真は着色のある患者さんの歯を
歯科衛生士さんが左半分だけ
ステイン除去したところです。
左右で大きく色が違うのが分かると思います。
(*写真は本人の同意を得て使用しています)
エアーフローという機械を用いた場合
1歯1~2秒でこのくらい白くなります。
ポリリン酸では、そもそもここまで
白くはできないかと思います。
ポリリン酸には
「キレイをキープ」する
薬効がある
ポリリン酸には
汚れを綺麗に落とした歯に
ステインが再付着するのを
防ぐ働きはあるので、
「キレイをキープする」
薬効があります。
これは、ポリリン酸の
「いつもの歯磨き以上の効果」の
一つかもしれません。
歯科医院のホワイトニングは
歯石・ステインを除去後、
歯の内部の色素を漂白する
歯科医院のホワイトニングでは
・過酸化尿素
・過酸化水素
を用います。
当院では、ウルトラデント社の
「オパールエッセンス」を採用
しています。
オーダーメイドのマウスピースを用いて
歯科医師や歯科衛生士の
管理・指導の元で使用します。
薬液は歯の内部に浸透して色素を分解します。
虫歯や知覚過敏がある人は
「しみる」「痛い」となるので
先にその治療が必要になります。
歯石の付着や、歯周病がある人の場合も
先に治療を行ってからとなります。
歯医者さんのホワイトニングは
高額で値段差が大きい?
ホワイトニングは、やる回数が多いほど
効果が高くなります。
通常、2週間毎日(14回)連続で
ホワイトニングを行いますが、
白くなりにくい人の場合は
数セット繰り返すことになります。
ホワイトニングの白さ保証制度がある
医院さんでは、最大10万円もしてしまうのは
ホワイトニングを行う回数によるものでは
ないかと思います。
白くならなければ返金する、と約束するなら
仕方ないのかなと思います。
当院でのホワイトニング費用は
22000円(税込み)ですが
2セット目からは約3000円で
継続することができます。
*定期受診される患者様に限り
*マウスピースを紛失された場合は
正規費用になります。
返金制度などは特に設けておりませんが
歯を長く「健康に、美しく」を
維持していただくために、
続けやすい価格設定にしています。
ホワイトニングの持続力はどのくらい?
自宅用のホワイトニングでは、
ステインを除去できたとしても
食生活が同じであれば約2週間程度で
再付着しやすくなります。
歯科医院でのホワイトニングも
残念ながら永久的なものではありません。
食生活により、数か月~1年ほどで
色は戻ってきてしまいます。
特にコーヒー、お茶、ワインなどを
愛好される方の場合は、色の戻りが
早くなってしまいます。
当院でホワイトニング2回目から
約3000円、というシステムにしているのも
この「後戻り」があるためです。
当院では歯石クリーニングに
定期的に通いながら、
年に1回ホワイトニングで
歯を白くキープされる方が大勢
いらっしゃいます。
「結婚式には白い歯で、
その後は元に戻ったけど…」
よりも
「せっかく白くキレイな歯に
なったのだから、キープを」
私達も、白く美しい歯、
虫歯や歯周病の無いお口を拝見すると
嬉しくなってしまいます。
白く美しい、健康的な歯をキープするための
ホワイトニング2回目以降の応援価格を
(度重なる材料値上げに耐えつつ!)
これからも維持するつもりなので
気になる方はお気軽にお尋ねくださいね♪
まとめ
・市販のホワイトニングをうたった
口腔化粧品は、汚れを落としやすくる
成分が入っています。
・市販のホワイトニング剤の
ステイン除去力は、歯科衛生士さんには
遠く及びませんが、デイリーケアとしては
良いでしょう。
・美容院のホワイトニングは
基本的には自宅でのホワイトニングと
同じ薬剤を使用しています。
・歯科医院でのホワイトニングは
歯の内部に作用するため、
虫歯や知覚過敏がある場合は
先に治療が必要になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。