顎関節症って?どれぐらいで受診したらいいの?
2020年1月1日
こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。みなさんは顎関節症という言葉を聞いたことがありますか?
顎関節症の症状
顎関節症は、耳の下あたりの顎の関節に痛みがあったり、口が開きにくかったり、音が鳴る、口を開けるときにまっすぐ口が開かない、などの症状が出ることがあります。
僕自身も顎関節症患者のひとりです。年に1~2度、数日間ですが顎の関節が痛くなります。
僕の場合は口を大きく開けたり、かたいもの、コシのあるようなものを食べたりすると、痛みが出ることが多いです。
フランスパンみたいなものは、つらいですね…。
口を開け閉めしたときに顎の音が鳴る症状に関して言えば、常時その状態です。
顎関節症といってもいろいろなパターンがあります。
①あごを開け閉めするとカクカク、ポコポコと軽い音が鳴るケース
僕の場合は、左の顎がカクカクなります。調子にのって無理をすると痛くなってきます。
痛いときも、痛くない時もカクカクといった音は鳴ります。
音に関して言えば、治すことはほぼ不可能であり、ずっと付き合っていく症状と言えるでしょう。
痛みがないなら、特に治療する必要はありませんが、そもそも顎関節症になってしまった原因となる習慣があるようなら、その習慣を止めるよう心掛けることは必要でしょう。
顎関節症を起こす習慣
顎関節症の原因として有名なものには、頬杖や食いしばり、ストレス、かみ合わせや寝る体勢(横寝・うつ伏せ寝)などがあります。
関節雑音についてもう少し詳しく言うと、顎の関節には関節円板って言う線維性の組織が骨と骨の間にあるんです。
顎を開け閉めするとき骨の動きに伴って関節円板も動くのですが、この動きが悪いと関節からずれてしまうことがあります。この、顎の骨から関節円板がずれたり戻ったりするときに音が鳴るんです。
②顎を開け閉めすると、ジャリジャリと音が鳴るケース
ずれたままになっていると関節の音がジャリジャリ、もしくはプチプチという音に変わってくることがあります。
捻髪音 (ねんぱつおん )って言うのですが、関節円板がずれたまま戻らなくなって、顎関節の骨と骨が擦れる音に変わるんです。①のケースが重症化した状態です。
またまた自分の話になりますが、たまに夜中に寝ていて関節円板がずれて戻らなくなる時もあったりします。
①から②へ重症化するのは、ある日を境にいきなり…というより、悪化したり良くなったりを繰り返す境界の時期があるんです。
僕は歯科医師なので、重症化した時に何をすれば良いか分かりますが…それでも、スパッと治癒!とならないのが、顎関節症のやっかいなところです。
関節炎版がずれたまま戻らない状態をクローズドロックと言います。
クローズドロックの状態で治療せずに放置すると、骨の変形が起きるなど、より重症化しやすいと言われていますので、心当たりのある方は歯科医院で相談してくださいね。
重症化しないように予防することが大事
顎関節症の症状が出やすい方には、夜中に食いしばったりして症状を悪化させてしまうケースが良くみられます。
朝起きて顎の調子が悪い、顎がダルい・痛いようでしたら、マウスピース(スプリント)を作ってもいいのかなと思います。
顎関節用マウスピース治療
マウスピース(スプリント)は顎の関節をストレスのかかりにくい状態にする装置です。
慣れるのにも時間がかかることもあるのですが、顎関節症に対しての根本的な治療法が無いので、こうした「顎関節を安静にさせる道具」を用いて症状を緩和させます。
軽症のうちに重症化予防することも大事だと思います。
そして、横寝・うつぶせ寝、頬杖、片方だけの歯で噛むなどの悪い癖に心当たりがある場合は、早めに癖を止めるように心がけましょう。
受診のタイミング
顎の痛みがだんだん強くなる場合は、一度専門家にご相談した方がよい場合もあります。
朝起きてすぐ痛みを感じる場合はマウスピースで改善することもあります。
口を開けられないなど、すでに重症な場合は受診した方がよいかと思います。
まとめ
- 顎の音が鳴る症状は、基本的には治せません。
- 顎関節症を起こす、悪化させる癖は早めに止めるよう心がけましょう。
- 顎関節症の症状がある方は、マウスピースを使用した方が良いことがあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。