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「アマルガム」って知っていますか?  ~お口の中に潜む「水銀」の詰め物~

2020年3月24日

こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
「アマルガム」って聞いたことがあるでしょうか?

アマルガムとは?

水銀が50%程度、他にも銀、銅、亜鉛、スズなどの金属が原料。
粉末にした金属を水銀で練って使う。水銀の有害性から、現在ではほぼ使われていません。

現在、あらゆる詰め物は「接着」「合着」のどちらかで歯にひっつくようにされています。
接着と合着については、院長が前に記事を書いていましたので、よろしければ読んでみてくださいね。(参考リンク:https://tsuboidental.com/2017/01/05/incho-26/

このアマルガムは、接着や合着の技術が登場するさらに前、なんと1826年から使われていたと言われています。歯にくっつく作用が無いのに、どうして歯の穴を埋めることができるかと言うと、固まるときに膨張するアマルガムの性質を用いるんです。

穴を内開き(アンダーカットがある形)に削って、ペースト状のアマルガムを詰めると、時間が経って固まるときにアマルガムが膨張して、外れなくなる、という仕組みです。

今でも大学の講義でアマルガムは習うはずですし、僕も学生時代には虫歯を削った後にアマルガムを詰めるための穴の削り方も習いました(実はアマルガムに限らず、被せものなど、材料によって歯の削り方が違うんですよ)。

しかし、実際の治療としては、一度もアマルガムを触ったことがありません。
というのも当時から水銀が有害であるのはよく知られていましたし、コンポジットレジンという歯科用プラスチックに置き換わっていたからでした。
とはいえ実際のところ、平成28年までは保険が効く治療法であったようです。

最近の治療ではないにせよ、いまだにお口の中にアマルガムが入っているのをよく目にします。
水銀の有毒性がクローズアップされるまでは、安価で手軽な治療法として重宝された歴史があるからでしょうね。

アマルガムの有毒性

水銀が体に良くないことは、おそらく多くの方にとって周知のことでしょう。

アマルガムも、50%水銀化合物であること、そして強度が低く劣化しやすいことから、アレルギーや神経症状の原因となることがあります。

実際、医科からの依頼でお口の中の金属を全てやりかえることもあります。
金属アレルギーはアマルガムだけではなく、歯科用のいわゆる銀歯(金銀パラジウム合金)でも起こることがあるのですが、アマルガムは特にアレルギーを起こしやすいことで知られています。

お口の中ってけっこう過酷な環境です。

熱いものや冷たいもの、酸や水に常にさらされ、奥歯にはその人の体重と同じくらいの負荷がかかります。また、メチルメルカプタンなどの金属を腐食させるガスを出す細菌も棲んでいます。


アマルガムも、他の金属も、そう言った作用で腐食していくのです…。
腐食して、端っこから欠けていったり、溶けたり、錆びたり、金属イオンを萌出して歯や歯茎に刺青のように色を移したり。もちろん、その結果、虫歯になってしまうことも非常に多いのです。

ホワイトニングなどの薬剤でも溶けるので、ホワイトニングの前にはアマルガムのやりかえはやったほうがいいのかもしれませんね。

アマルガムで修復された部位が多いほど血中水銀量が増加すると言われています。
血中の水銀は、母乳にも移行してしまいますから、授乳中のお母さんのお口にアマルガムがあると、赤ちゃんまで水銀にさらされてしまうわけです。

アマルガムは虫歯になっても、勝手に外れてくれない

アマルガムは、アンダーカットに嵌め込まれた形で歯にひっかかっているので、下に虫歯が出来ても簡単に外れてくれません。
傷んできていても、ご本人は分からないことがほとんどです。
もっと言えば、ご自身の口の中に水銀化合物が入っているとご存知でない方も、とても多いです。
アマルガムの見た目は銀色ですから、「銀の詰め物」と思っておられるんですね。

アマルガムだけということでもないのですが、修復物にはやりかえの時期がきます。
端っこが欠けてきたり、色が変わってきたり、劣化してきているようだったらやりかえるのをお勧めしますよ。

定期検診の時にもチェックしますし、気になるようならいつでもご相談くださいね。

まとめ

  • アマルガムは50%水銀化合物で、今はほぼ使われなくなった歯科用金属です。
  • まだ多くの方の口腔に、アマルガムが残っている現状です。
  • アマルガムは、アレルギー、神経症状などの原因となることがあります。
  • 定期的に歯科医院でチェックを受けて、傷んだ詰め物はやり替えるようにしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

口呼吸は万病のもと!?体調不良と呼吸の関係

2020年3月23日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

 いやはや、コロナウイルスのせいで世の中大変な状況ですね。
世界の状況と比べると日本の状況は、まだマシな気がします。
ですが、色んな物が足りなくなったり、学校がお休みになったり、お仕事に支障が出ておられるケースもあろうかと思います。

つぼい歯科クリニックにご来院される患者さんの中にも、お疲れがたまってきた…という方も増えて来た印象です。

 ストレスが歯の痛みを直接的に引き起こすということは、一般的にはありません。しかしストレスが高まったときに、歯に違和感が出ることはあります。

歯の周囲には多かれ少なかれ細菌がおり、ストレスなどで体の免疫力が低下すると、歯茎の腫れ、歯が浮くように感じられる、口臭の悪化、歯の根の先の炎症の再発などがおきる可能性が高まります。心あたりはありませんか?

口呼吸が疲労を引き起こす

実は疲労の原因の1つが口呼吸と言われています。

口呼吸は鼻呼吸と比較すると、 体への酸素供給量を減らしてしまうことから、 疲労、倦怠感、無気力などを引き起こします。

口呼吸は鼻呼吸より感染リスクが高い

また感染症に対する抵抗力も、鼻呼吸の方が優れています。

鼻で呼吸すると、外気を鼻から気道に取り込む過程で、鼻毛や粘液がウィルスなどの異物を絡めとりますし、湿度や温度を上昇させることができます。
従って口呼吸と比べて鼻呼吸は、風邪やウイルスをもらいにくくなるのですね。

口呼吸の原因は鼻づまり!?

2012年にアメリカで出版された「小児歯科学の原則と実践」によると、 口呼吸の85%は鼻の閉塞や鼻づまりなどによる鼻の気道の狭さが原因で、 自分が望んでいないにも関わらず、口呼吸を強いられている…と報告されています。

鼻づまりの原因は以下のようなものが挙げられています。

鼻づまりの主な原因

  • アレルギー性鼻炎(花粉、ハウスダストなど)
  • 副鼻腔炎(蓄膿症)
  • 妊娠性鼻炎
  • その他鼻過敏症
  • 鼻ポリープ(鼻たけ)
  • アデノイド増殖症(肥大)
  • 食物アレルギーによる鼻づまり
  • 風邪
  • 口唇閉鎖不全
  • 親指や指吸引癖などの習慣
  • 喫煙・飲酒

鼻づまりは歯科のみで解決する問題ではなく、耳鼻科的な観点での治療も必要です。

歯科矯正によって鼻詰まりが改善するというケースも

一方で、歯列矯正によって口の大きさを横に拡大することで、気道の体積(大きさ)が改善できるとの報告もあります。

鶏が先か、卵が先か…というお話にはなると思いますが、歯並びを治したので鼻閉が治る場合や、鼻閉がなおったので歯並びが改善する場合、両方が知られています。
鼻づまりと歯並びの両者が密接に関係しているのは、論文でも報告されていますし、臨床家として治療に携わっていても強く感じるところです。

コロナウイルス対策や花粉症対策としてマスクの使用も多く、辛い時期とは思いますが、鼻呼吸を意識して体を整えていくことも大切です。

気になることがあれば一度ご相談くださいね。

まとめ

  • ストレスが高まると、歯のトラブルも増える傾向にあります。
  • 口呼吸では疲労感が増しやすい傾向にあり、風邪もひきやすい傾向にあります。
  • 鼻づまりの原因は様々にありますが、85%は自分の意思に反して口呼吸を強いられています。
  • 歯並びを治したので鼻閉が治る場合もあり、鼻閉がなおったので歯並びが改善する場合もあります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

原点にもどって歯磨きの話

2020年2月27日

 こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
本年度最初のブログ記事なので、原点に立ち返って歯磨きや歯垢染色液について説明していきたいと思います。

1)歯磨きをする前に

「歯磨き、完璧です!」という方は少ないと思います。
習得するのはなかなか難しいですね。

そもそもプラーク(歯垢)は、食べ残しというわけではなく、口腔内の虫歯の原因菌を含む常在菌が、食べ物(特に糖分)を分解・代謝して歯の表面に作った菌と代謝物のかたまりです。

想像してみてください。
甘いものを食べると、古いプラークの上に新しいプラークが雪だるま式に増えていくイメージです。
表面と内側の古いプラークは酸性度などの性質も異なり、古いプラークの下では虫歯がおきています。


ですので、基本的にはまず「質の悪い虫歯になるプラークを増やさない!」というのが最初の戦略となります。
具体的には、糖分の摂取量を減らす、これが大前提です。

実際3歳までは、「虫歯の原因は歯磨きよりも食生活習慣の影響が大きい」という調査結果がいくつも出ています。

2)歯ブラシを選ぶ前に

歯磨きというのは結局のところ、質の悪い古いプラークを取り除くことに尽きます。

「小さめの歯ブラシで丁寧に時間をかけて」、と、我々歯科医師は患者さんにお伝えしますが、きちんとできる人は少ないです。

最近特に思うのは、口頭での説明だけでは、プラークの付きやすい位置はわかりづらく、こちらの危機感はなかなか伝わらないなあ、ということです(特にお子さん)。

ですので、最近は家庭でも歯垢染色液の使用をおすすめしています。
歯垢染色液は食紅等の染色液を溶かしただけの単純なものですが、液体歯みがき剤と歯垢染色液が一体化したものが特におすすめです。歯科医院で使用する歯垢染色剤より染まった色は薄めなのですが、その分、お母さんの洗面台のお掃除が楽です。
もし、うがいの後で赤い色があちこちに飛び散っても、濡れた布やティッシュでサッと一拭きするだけで色が落ちます。
受診時に染色液で染めてから歯磨きしてもらうと、お子さんでもすぐに汚れが取り除けます。見える化は大事ですね。

3)歯磨き粉を選ぶ前に

昭和の頃の歯磨きは、粉(研磨剤)を多くして歯垢を取り除く効率を上げようという戦略が小児でもとられていました。
しかし現在は、薬効成分を多く含む、粉を含まないゲルのものにほとんど変わっています。
薬効成分の代表的なものがフッ素です。


ブラッシング後、一定時間、一定濃度以上のフッ素をお口の中に残しておくことがポイントです。
ですので、仕上げのうがいはほとんどしなくてよいです。
フッ素の濃度が有効性に関連しますが、ブラッシング時に通常量使う場合、400ppm未満は虫歯予防効果が期待できないというデータがあります。
最近の商品は500ppm~1450ppmの範囲となっており、年齢が上がるにしたがって濃度も高い製品をお勧めしています。

最近、乳酸菌入りの歯磨き剤も出ていますが、虫歯があったり、なりかけている状態でに対しての効果は不十分です。

たしかに乳酸菌を使うことで、虫歯の原因となるミュータンス菌が歯に定着するのを防ぐ効果はあります。
しかし、そもそも、再定着を防ことができるのは、虫歯を作る部位である溝や小窩、歯と歯の間の隣接面からミュータンス菌を完全に取り除けた場合にのみという報告があります。

乳酸菌を虫歯にならないくらい効率よく歯に定着させるためには、歯科医院で使っている器具レベルで細かいところの除菌が必要そうです。(まあ、そこまでしたらそもそも虫歯にならないかも。。)
あまり現実的ではないかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか?

  • 歯磨きを頑張る前に、まず食生活習慣を見直しましょう。
  • 歯磨きの前に、まず取り除くべき歯垢の確認、磨かないといけない場所をよく知りましょう。
  • 歯磨き粉は薬効性が多いもの(代表的にはフッ素)を使いましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

良くない口の習慣、「口呼吸」 ~風邪をひきやすく、虫歯・歯周病・口臭・出っ歯の原因にもなる~

2020年1月31日

こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
あなたは、口呼吸と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?

対する言葉としては、鼻呼吸です。

鼻で呼吸するということはどういうことでしょうか?
鼻には体を守る色々な作用が備わっています。
加湿作用や、粘膜によるウイルス、細菌に対する防御作用などです。

口呼吸のデメリットはよく言われているように思います。

口で呼吸するので、鼻での作用の恩恵が受けられませんから、当然ながら感染しやすかったり、乾燥の原因となったりするようです。

口呼吸のデメリット…その1 口の乾燥

口の乾燥も、色々なリスクとなります。

虫歯ができやすくなる

唾液にはカルシウムが豊富に含まれ、口の中が虫歯になりやすい環境になったときに、歯を補修する働きがあります。

参考リンク:削らなくても治る虫歯があるって本当?

 

唾液が少なくなると、むし歯ができやすくなるのですが、同じように口呼吸による乾燥でもむし歯になりやすくなります。

歯周病になりやすくなる

歯周病も感染症です。唾液の抗菌作用が、口の乾燥によって低下してしまうので歯周病の危険が増してしまいます。

口臭が出やすくなる

口臭についても乾燥の影響で強くなってしまうようです。

参考リンク ドライマウス(口腔乾燥症)の原因と自分での治し方

歯への着色が起こりやすい

口呼吸をされる方は、ちょうど前歯の唇が当たらない部分に、着色が起こりやすいです。

唾液の作用っていろいろな面に作用していて大きいのです。

口呼吸のデメリット…その2:歯並びが悪くなる

口呼吸は、歯ならびにも関係してきます。
口で呼吸しているということは、当然ながら口は開いているんですよね。
口を閉じるのは口の周りの筋肉(口輪筋)の作用ですので、この力が弱いのです。

舌の位置についても鼻で呼吸するのとは違い、口で呼吸しやすい位置に舌が移動してしまいます。

参考リンク:いつでもお口がポカンと開いている「口呼吸」

歯ならび、歯列というのは外からの力、頬や唇ですね。それと内からの力、舌の力のバランスによって大きく影響を受けます。
つまり、口で呼吸しているというのは、歯ならびが悪くなるリスクになるのです。
矯正治療をする場合でも「後戻り」の大きなリスクとなることがあります。

長い期間をかけて歯並びをキレイに整えて行くのが矯正治療ですが、歯に(骨に)力をかけることで歯が動いていきます。

矯正治療が終わった後でも、歯に力がかかっていると、当然歯は動いてしまいます。つまり、後戻りのリスクがあるとも言えます(後戻りのリスクが高いと判断される場合は、後戻り防止装置が外せないこともあります)。

力のバランスが取れていないと、治療した歯並びが変化してしまうということが起こってしまうのです。

鼻呼吸で、感染や歯並びのリスクを予防しましょう!

口で呼吸することにはデメリットがいっぱい。
可能であれば意識して鼻で呼吸するようにしていきましょう。

テレビを見るときなど、ボーッとしていてもお口はつむっているようにしていただくことが大事です。とはいえ…夢中になっている時に、意識できない…という声もあるかと思います。

口の周りの筋肉(口輪筋)が十分に発達していないと、口を閉じ続けるのが難しいことがあるのです。そんなときは、「口の周りの筋肉の筋トレ」が必要です。

参考リンク:口呼吸を改善する!「あいうべ体操」

筋トレなので、すぐに効果が出るわけではありませんが、「インフルエンザ予防に効果がある」として、取り入れている小学校も多い体操です。

歯科医師としてもおススメです!

まとめ

  • 口呼吸は、デメリットが多いので止めましょう
  • 口呼吸のデメリットとして、風邪をひきやすくなる、虫歯・歯周病・着色・口臭などの原因となることがあります。
  • 口呼吸は、出っ歯や矯正治療後の後戻りの原因となることがあります。
  • 鼻呼吸トレーニングとして「あいうべ体操」がおススメです。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

口内炎の話 

2020年1月21日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

寒いですね。冬ですね。ブログが出る頃にはいよいよオリンピックイヤーに突入です。今年もいろいろありそうです。よろしくお願いします。

本日はなぜか口内炎の人が多かったです。そこで今回は小児に限らず、皆様にもよくあるお悩みである口内炎についてまとめてみることにしました。

1)口内炎の種類

アフタ性口内炎

 口の中の粘膜にできる境界線がはっきりとした小さい腫瘍で、表面が白か黄色の膜で覆われ、周りが赤くなった状態をアフタといいます。
アフタ性口内炎は、周辺に粘膜炎を伴っている症状で、一般的な口内炎です。
頬の内側や舌、唇の裏や歯ぐきにできやすく、痛みがあり、食べ物がしみることが多いです。

アフタ性口内炎:境界線がくっきりしている

カタル性口内炎

カタル性口内炎は赤くただれたように見えます。
痛みは強くないですが、刺激物がしみたり、悪化すると熱感を感じることもあります。
また、口臭が発生する事もあります。
アフタ性とカタル性の口内炎の大きな違いは、境界線がはっきりしているかどうかです。

カタル性口内炎:境界線がぼんやりしている

2)口内炎の原因は?

口内炎の原因としては、共通している事が多いです。
ストレスや過労により抵抗力が下がっている事や、口腔内の物理的刺激が原因で発症する事が多いです。
アフタ性の口内炎の方がやや精神的ストレスや、ビタミン不足、免疫などとの関連が指摘されています。

 カタル性口内炎は物理的刺激(噛んだ、矯正器具や義歯が当たって傷になったなど)、口内環境が不衛生なとき、熱い食べ物で火傷したときに起こります。その後に感染等がおきたり、味覚に影響することもあります。

3)口内炎の治療法は?

基本的には免疫力の低下と口腔衛生状態の悪化が原因です。
まずは元気になること(ビタミンなどの摂取)と、口腔内状態の改善(歯磨きや、噛んでしまうことが原因であれば、その原因となる歯の鋭い部分の研磨)が重要です。
治療としてはステロイドの入った軟膏やパッチなどを塗布したら貼付することにより、おおむね2週間ぐらいで治ります。

4)裏技的なこと

特にアフタ性口内炎はかなりしみて、痛むことが多いです。
経験上、生理食塩水であればかなりしみにくくなります。
さらに水や生理食塩水は少し加温した方が良いようです。
また、無痛というわけではありませんが、アフタ性口内炎の場合、レーザーや電気で少し焼いたほうがアフタ部分の性質が変わり、治癒までの期間が短くなります。

大人も子供も口内炎はよく起きます。また、何度も再発する口内炎の場合、全身疾患に関連しているものもあります。
規則正しい生活と清潔を意識したうえで、あまり軽視せずにいきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

  • 口内炎は大きく分けて、アフタ性口内炎とカタル性口内炎に分けられます。
  • 共通してストレスや過労により抵抗力が下がっている事や、口腔内の物理的刺激が原因となります。
  • 治療法は、まずは免疫状態を改善すること、口腔内状態の改善が重要で、軟膏を用いてパッチ(カバー)することが一般的です。
  • 経験上、少し加温した生理食塩水であればかなりしみにくくなります。またレーザーや電気で処置するほうが、治癒が早まることが多いです。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

顎関節症って?どれぐらいで受診したらいいの?

2020年1月1日

こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。みなさんは顎関節症という言葉を聞いたことがありますか?

顎関節症の症状

顎関節症は、耳の下あたりの顎の関節に痛みがあったり、口が開きにくかったり、音が鳴る、口を開けるときにまっすぐ口が開かない、などの症状が出ることがあります。

僕自身も顎関節症患者のひとりです。年に1~2度、数日間ですが顎の関節が痛くなります。
僕の場合は口を大きく開けたり、かたいもの、コシのあるようなものを食べたりすると、痛みが出ることが多いです。
フランスパンみたいなものは、つらいですね…。
口を開け閉めしたときに顎の音が鳴る症状に関して言えば、常時その状態です。
顎関節症といってもいろいろなパターンがあります。

①あごを開け閉めするとカクカク、ポコポコと軽い音が鳴るケース

僕の場合は、左の顎がカクカクなります。調子にのって無理をすると痛くなってきます。
痛いときも、痛くない時もカクカクといった音は鳴ります。
 音に関して言えば、治すことはほぼ不可能であり、ずっと付き合っていく症状と言えるでしょう。
痛みがないなら、特に治療する必要はありませんが、そもそも顎関節症になってしまった原因となる習慣があるようなら、その習慣を止めるよう心掛けることは必要でしょう。

顎関節症を起こす習慣

顎関節症の原因として有名なものには、頬杖や食いしばり、ストレス、かみ合わせや寝る体勢(横寝・うつ伏せ寝)などがあります。

関節雑音についてもう少し詳しく言うと、顎の関節には関節円板って言う線維性の組織が骨と骨の間にあるんです。

顎を開け閉めするとき骨の動きに伴って関節円板も動くのですが、この動きが悪いと関節からずれてしまうことがあります。この、顎の骨から関節円板がずれたり戻ったりするときに音が鳴るんです。

②顎を開け閉めすると、ジャリジャリと音が鳴るケース

ずれたままになっていると関節の音がジャリジャリ、もしくはプチプチという音に変わってくることがあります。
捻髪音 (ねんぱつおん )って言うのですが、関節円板がずれたまま戻らなくなって、顎関節の骨と骨が擦れる音に変わるんです。①のケースが重症化した状態です。

またまた自分の話になりますが、たまに夜中に寝ていて関節円板がずれて戻らなくなる時もあったりします。
①から②へ重症化するのは、ある日を境にいきなり…というより、悪化したり良くなったりを繰り返す境界の時期があるんです。
僕は歯科医師なので、重症化した時に何をすれば良いか分かりますが…それでも、スパッと治癒!とならないのが、顎関節症のやっかいなところです。

関節炎版がずれたまま戻らない状態をクローズドロックと言います。
クローズドロックの状態で治療せずに放置すると、骨の変形が起きるなど、より重症化しやすいと言われていますので、心当たりのある方は歯科医院で相談してくださいね。

重症化しないように予防することが大事

顎関節症の症状が出やすい方には、夜中に食いしばったりして症状を悪化させてしまうケースが良くみられます。
朝起きて顎の調子が悪い、顎がダルい・痛いようでしたら、マウスピース(スプリント)を作ってもいいのかなと思います。

顎関節用マウスピース治療

マウスピース(スプリント)は顎の関節をストレスのかかりにくい状態にする装置です。
 慣れるのにも時間がかかることもあるのですが、顎関節症に対しての根本的な治療法が無いので、こうした「顎関節を安静にさせる道具」を用いて症状を緩和させます。
軽症のうちに重症化予防することも大事だと思います。

そして、横寝・うつぶせ寝、頬杖、片方だけの歯で噛むなどの悪い癖に心当たりがある場合は、早めに癖を止めるように心がけましょう。

受診のタイミング

顎の痛みがだんだん強くなる場合は、一度専門家にご相談した方がよい場合もあります。
朝起きてすぐ痛みを感じる場合はマウスピースで改善することもあります。
口を開けられないなど、すでに重症な場合は受診した方がよいかと思います。

まとめ

  • 顎の音が鳴る症状は、基本的には治せません。
  • 顎関節症を起こす、悪化させる癖は早めに止めるよう心がけましょう。
  • 顎関節症の症状がある方は、マウスピースを使用した方が良いことがあります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

普通だけれども普通に見えない・・醜いアヒルの子の時期? ~子どもの前歯の隙間~

2019年12月12日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

寒いですね。すっかり冬になりました。

最近保護者の方からのご相談で多い、お子さんの状態で正常だけれどもそうは見えにくく、不安を思われているケースがいくつかありましたので、お話していきたいと思います。

1)前歯がすきっ歯に見えます。

 永久歯、特に上の前歯は顎の狭いところに折り重なって控えているので、乳歯と比べ、やや八の字で生えてきます。

そのため、前歯部ではすきっ歯な感じで生えてきます。

その後、2番目の前歯(側切歯)、犬歯が生える時に、前歯を押し込む方向に力が働くので、気が付けばきれいな歯並びになっていきます。

この時期は焦らず、歯が生えるのを待ってみましょう。

小児歯科ではugly dukling stage『みにくいアヒルの子の時期』と言います。

画像引用:医歯薬出版 デンタルハイジーン別冊コミュニケーションから歯科処置までを”つかむ”

いずれは白鳥になるっていう意味ですが、考えた先生は洒落がきいてますね。

 

ちなみに、アヒル、ガチョウにはすごい歯(歯ではないが髭の一部らしいです。構造学的には。)があります。

なかなか衝撃的ですので、興味がある人は動物園とかで見てみてください。


画像引用:buzzfeed

2)下の前歯がかなり奥(乳歯の後ろ)から生えてきてます

下の前歯は一番最初に揺れはじめて、最初に永久歯に生え変わりますが、ここだけ他の歯とは異なる特徴があります。

ここもやはり後継永久歯の控えるスペースがないため、永久歯は乳歯のやや後ろに位置しており、生えてくるのは乳歯のやや後ろである場合が多くあります。

これは『エスカレーター式交換』といいます。

この時期も焦らず待っておくと、生えてきた歯が舌に押されて前にいき、唇と舌の筋肉の圧が折り合うところに落ち着きます(図参照)。

両方とも、乳歯よりも1.5倍程度も大きな永久歯が、出生前後の小さな頭蓋骨の時期に形作られるために体が作った巧妙な仕組みです。

最初の乳歯の生え変わり時期に起こることなので、心配になりますが、状態をよく見ながら経過を観察してください。

うまくいかない場合もまれにあり、その場合は抜歯や矯正等必要になる場合があります。

まとめ

いかがでしたか?

  • 生え変わりの時期(特に初期)には、正常であっても歯並びが心配に見える時期があります。
  • 上の前歯ではすきっ歯に見える時期があり、下の前歯では乳歯の後ろから生えて歯並びが悪く見えるのが典型的です。
  • 経過観察してるとよくなることが多いですが、本当に歯列不正の場合もあり、抜歯や矯正が必要になる場合があります。

「うちの子は大丈夫かな?」とご心配の方は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

したはうえに(舌は上に)!

2019年11月21日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

朝晩はもはや寒い感じになり、秋も深まってきておりますね。季節の変わり目は風邪などを引きやすく、今年はインフルエンザが早めに流行しているらしいので、注意しましょう。

 最近気になった患者さんの相談に、お口がポカンとよく空いている、前歯が噛めていないというものがありました。実際にお口をみると前歯が噛めていない状態で、舌がチロチロと見え、いわゆる開咬(かいこう)といわれるものでした。最近よく相談を受ける不正咬合の一つでもありますので、今回はその原因と対策についてお話していきます。

1)開咬(かいこう)の原因は?

 開咬の原因は大きく2つに分けられ、指、爪、ものしゃぶりなどの『モノ』を常にお口に入れることによって発生するものと、口呼吸、舌小帯(舌の下の筋)の付着が原因となって、舌が低位になることにより生ずる『舌癖(ぜつへき)』でおきるものがあります。その両方が並行して起きている場合もよくあります。

2)指しゃぶり、ものしゃぶりの場合

 指しゃぶり、ものしゃぶりは不安や緊張を和らげる心理作用があると言われ、1歳半から2歳ぐらいまではある程度しょうがないものです。ただ、3歳以上ではその後の歯並びに影響するといわれておりますので、そのあたりまでには中止できるようにしましょう。

指しゃぶり、ものしゃぶりの対策とは?

 対策としては、ある程度周囲の話が分かるようになったら話して聞かし、眠い時に指が入るのであれば、手をつないで眠るとか、手にテーピングしたり、ミトンをはめたりして、物理的に入れにくくするなどの地道な対策が有効です。ただ、心理的な面の影響も強いので、その子の性格や発達状態によっては、スムーズに中止するのが難しい場合もあります。おしゃぶりは指よりも柔らかいので、影響はやや少なめにはなりますが、お勧めはできない習慣です。

3)舌癖の場合

 上下の歯の間に舌を押し付けるような習慣を舌癖と言います。本来の正しい舌の位置は上顎の前歯の後ろから、口蓋(口の天井)に舌全体を軽く押し付けているのが正しい姿勢です(したはうえに(舌は上に)!)。その位置にないと、舌の姿勢が悪いということになります。その結果、歯並びに影響したり、発音(サ行、タ行)の発音がおかしくなる場合があります(例:サクラがさいた→タクラガタイタに聞こえる)。

舌癖の原因とは?

 原因としては、指しゃぶりなどの残存、卒乳の遅れ、舌小帯が強いこと、口呼吸などがあります。指しゃぶりは(2)で説明した通りです。母乳の摂取は舌を使って搾り取る、幼児嚥下の典型ですので、2歳以降では悪影響の面が強くなります。

 口呼吸は、舌小帯が強いことと表裏の関係です。呼吸に用いる筋肉、つまりは舌を含めた口周囲の筋肉が発達していないことによって生じます。筋肉ですので、トレーニング次第によっては発達する可能性もありますが(したはうえに(舌は上に)!)、一度も経験していないところに、舌を意識的に持っていくのは難しいと思います。

ある程度、矯正器具を用いることも必要ですし、呼吸筋のトレーニングのために、お口にテープなどを軽く張って、鼻呼吸を意識させることも効果的です。
また、舌や上唇の小帯が強そうな場合は、付着部分を少し切除し、筋トレを頑張ることが結果的には最も効果的です。

いずれにしても、お口の状態はいろいろと診査してみないとわかりません。そのうえで、メニューや矯正装置を選択しますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしたか?

  • 開咬(かいこう)の原因は指しゃぶりなどの『モノ』を常にお口に入れることによって発生するものと、『舌癖(ぜつへき)』でおきるものがある。また、両方併発している場合も多い。
  • 指しゃぶりなどの場合は、3歳ぐらいまでに中止できたら、影響は少なめであると言われている。
  • 舌癖の場合は、原因を追究したうえで、その改善と舌の姿勢の改善(お口の筋トレ)の併用が重要。

具体的にお子さまの状態などが気になる、という保護者の方は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

歯を失ってしまった場合の治療について ~その2~ブリッジ

2019年11月7日

こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。

前回は歯を失ってしまった場合の治療法について「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」という治療法があることをご説明しました。

特に「入れ歯」について詳しくお話しましたので、ご興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
参考 歯を失ってしまった場合の治療法について その1

今回はブリッジによる治療について、詳しくお伝えしていこうと思います。

ブリッジについて

ブリッジというのは、「被せ物」の一種で、失ってしまった歯の前後の歯に被せ物をして、失ってしまった歯の部分を補うダミーの歯と、前後の被せ物をつなげた形をしています。
前後の歯とダミーの歯で、橋のような形をしていますので、ブリッジと呼ばれます。

入れ歯が取り外しができるのに対して、ブリッジは歯に接着するので取り外しはできません。

<ブリッジの良い点>

  • 歯にしっかりと固定するので、揺れにくく、噛み心地が天然の歯に近い。
  • 出し入れしなくて済むので、入れ歯を出し入れするところを人に見られる心配がない(入れ歯を出し入れする姿を人に見られたくないと言う方、多いですよね…)。
  • 入れ歯のように、留め具や金属の棒など、邪魔になるパーツが口の中に無い。
  • 歯があったときと同じ配置でダミーの歯が配置されるので、パーツが舌に触って話しにくいということがない。
    (ただし、ダミーの歯の場所によっては息が若干もれる、ダミーの歯と歯茎のスキマが気になる、などのケースもあります)
  • お手入れ方法が歯磨き、歯間ブラシと、歯があった時と同じ方法のまま。
  • 金属のバネが見えるなど「あ、入れ歯だ」を見てわかるパーツが無い。見た目は入れ歯よりも良い。

<ブリッジの良くない点>

  • 前後の歯を大きく削る。
    すでに前後の歯が神経を取った歯であったり、すでに被せ物をしてある歯であれば、それほどのデメリットではないかもしれませんが、
    むし歯になったことのない歯であっても削らないとならないので、この場合はかなりのデメリットであると言えます。
  • 失った歯の位置や本数によって、ブリッジが選べないことがある。
    どの治療もそうなのですが、力のバランスもしっかり考えないと、土台の歯への負担が大きくなってしまいます。
    ダミーの歯の分まで、前後の歯で噛む力を負担するわけなので、無理な設計をすると歯が折れてしまうためです。

また、前後の歯を土台にするので、前後に歯がないと出来ないことも多いです。

前後に歯があっても失った歯の本数によっては土台の負担が大きすぎる構成となるため、出来ないこともあります。

無理な設計は保険治療では保険が通らないようになっていますし、自由診療でも(歯が折れてしまうリスクが高いと最初から分かっているので)お断りすることになります。

また、保険で「この設計ならブリッジにしても良いよ」と決まっている設計でも、噛む力が強い方や、歯ぎしり・食いしばりがある方、土台となる前後の歯が「神経を取ってしまった後、太い金属の土台(メタルコア)が入っている」ケースなどでは、土台の歯が折れてしまうこともあります。

参考:神経を取った歯が割れやすいって本当?

 

リスクの度合いは「土台となる歯の状態」「設計」「歯ぎしり・食いしばりなどの癖」などによりますので、詳しくは担当医にご質問くださいね。

・お手入れの難易度が部分入れ歯より難しい。

お手入れ方法は歯磨き・歯間ブラシと今までと同じなのですが、取り外して洗浄できる部分入れ歯より、難易度は高いです。特にダミーの歯と、土台の歯の被せ物がつながっている部分はお手入れが足りないと虫歯になりやすいので要注意です。

歯科医院で定期的に、虫歯ができていないか、ちゃんとお手入れできているかチェックを受けた方が良いでしょう。

 

色々デメリットもありますが、部分入れ歯と比べると噛むということに関しては、ブリッジのほうが有利かなぁと個人的には思っています。

まとめ

・個人的には、しゃべりやすさ、見た目、噛み心地の面では、入れ歯よりブリッジがおすすめです。

・ブリッジは前後の歯を大きく削ること、お手入れが不足すると前後の歯が虫歯になるなどしやすい短所もあります。

・ブリッジがそもそもできない症例も少なくありません。

 

インプラントによる治療については、また今度の機会にさせて頂ければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

歯を失ってしまった場合の治療について

2019年10月20日

こんにちは。岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。

今日は、残念ながらながら歯を抜かなければならなくなった、失ってしまった場合の治療についてのお話をしていこうと思います。

歯を抜けたままにしておくと、反対側の歯が伸びたり、周りの歯が倒れてきたり、その結果、かみ合わせが変わることもあり、かみ合わせが変わることで顎の痛みなどの症状を起こしてしまったり、噛む能力も低下したり、色々と健康にとって良くないです。

よって、抜けた部分に何かは入れる必要があります。

基本的には、3パターンの治療法が挙げられると思います。

①入れ歯

まずは入れ歯。義歯ですね。
まだ自分の歯が残っている人に入れる部分入れ歯と、完全に自分の歯がない人用の総入れ歯があります。

部分入れ歯

部分入れ歯では留め金などで自分の歯に入れ歯をひっかけて、入れ歯を動きにくくしたり沈みにくくします。

総入れ歯

総入れ歯では、口の中の粘膜で入れ歯を支えます。

②ブリッジ

次に、残った歯を用いて、無くなった歯の部分を支える治療です。
ダミーの歯の両サイドに、土台になる歯がくる形が「橋」に似ていますね。
ブリッジとは、両サイドの歯を削って土台にし、歯がない部分に入れる偽物の歯と土台の歯に被せる被せ物を連結させることで、偽物の歯を固定します 。

③インプラント

もう一つがインプラント治療。
人工の土台を骨に埋め込んで差し歯を入れるといったものですね。
①②③それぞれ利点、欠点があります。

入れ歯について

今回は入れ歯、義歯による治療について、少しくわしくお話をしてみようと思います。

<良い点>

  • 歯を失ったほとんどのケースに治療が可能
    入れ歯による治療はあらゆるケースに対応、失った歯の本数、部位など様々なケースに対応可能な治療法と言えると思います。
  • 健康な歯を削らなくて良い
    ブリッジによる治療と比べると、残った歯を削る量は少ないという良い点もあります。
    取り外しができるので入れ歯に関して言えば手入れは容易と言えるかもしれません。

<良くない点>

  • 留め具をかけた自分の歯に負担がかかり、抜ける原因になりうる

    入れ歯は、留め金のようなものを残った歯にかけて入れ歯の動きを抑制するので、その歯への負担がかかります。

    力のバランスなどには注意して作らないといけないのですが、歯の残った部位や、ご本人の希望により、そうも言っていられないケースもあるのも事実ですね…。

歯を失った部分の骨などは減っていく傾向にあります。
入れ歯を入れると年間ほんの少しずつ骨が下がります。
口の中の粘膜も徐々に変化していくので、定期的な調整をしなければ必ず合わなくなってきます。
入れ歯自体もすり減っていくので消耗品と考えてもらう方が正しいかもしれません。
入れ歯を使う場合、慣れが必要であることも、デメリットかもしれません。

入れ歯の患者さんが診療中よく言われる言葉にこんなものがあります。
『「違和感がある」「合わない」から今は入れ歯を使っていない』
『食事の時だけ入れ歯を入れている』

上記のことを仰る患者さんは、足に力が入りにくく、転倒・寝たきりのリスクも高くなります。

他の治療も慣れは必要ではありますが、入れ歯は特に慣れてもらうこと、きちんと使用してもらうことが重要になります。
入れ歯に口を合わせることはできませんから、入れ歯を使いながら、入れ歯を口に合わせていく必要があります。
よって、新しく作った入れ歯を徐々に調整していって、問題なく使えるようにしていくという作業が必要です。

歯科医院で新しい入れ歯を渡された時、「入れ歯治療が終わった」と思われる患者さんが多いのですが、新しい入れ歯を渡された時は「入れ歯トレーニングが始まった」時なのです。

咬む能力や咬み心地という点では、ブリッジやインプラント治療に軍配が上がるかもしれません。

他の治療もメリット、デメリットはやはりありますので、またお伝えしていこうと思います。

まとめ

いかがでしたか?

  • 歯は抜けたままにしておくと健康に良くない
  • 抜けた部分には、入れ歯、ブリッジ、インプラントの選択肢があり、それぞれメリットデメリットがある
  • 義歯は作って終わりではなく、義歯に慣れることが大事

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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