フッ素入りの歯みがき粉や洗口剤などについて
2019年5月17日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
そろそろ企業や学校の歯科健診のシーズンですね。
今回はむし歯予防のための、フッ素についてお話していきます。
フッ素について
フッ素といえば、テレビCMなどでも、虫歯予防の代名詞のように言われていますね。
実際、フッ素は虫歯予防に対して、しっかりとした効果が得られることが明らかになっています。
参考 ドクターズブログ:フッ素は危険?3歳~6歳ぐらいの子どものフッ素についての話
フッ素が歯を丈夫にするメカニズム
フッ素の作用としては、歯の表面構造を丈夫で安定なフルオロアパタイトという構造に変化させて溶けにくい歯、虫歯に強い歯にするというものです。
虫歯を予防するという点からすると、欠かせない存在であることは確かです。
フッ素は食品にも含まれており、紅茶などにも含まれています。
参考 院長ブログ:お母さんが妊娠中に赤ちゃんの歯を丈夫にできる食べ物とは?
歯みがき粉とフッ素
フッ素はほとんどの歯磨き粉に配合されています。
市販品の約9割がフッ素配合みたいです。
逆に、フッ素入りではない歯磨き粉を探す方が困難なようです。
高濃度フッ素含有の歯みがき粉について
フッ素濃度が950ppm程度である歯磨き粉がほとんどでしたが、最近では高濃度フッ素と言われる1450ppm程度まで認可されました。
濃度が高い方が虫歯の予防効果は高いです。
しかし、注意も必要です。
高濃度のフッ素による副作用リスクもあるため、6歳未満のお子さまへは使用させない、また、保管も6歳未満のお子さんの手の届かないところにするように、厚生労働省より各歯科医院に通知が来ています。
小さなお子様がいるご家庭では、注意してご使用ください。
歯みがき後うがいをするとフッ素が洗い流されます。
フッ素入りであることを意識するのであれば、歯磨き後のうがいはほどほどにして、お口の中にフッ素が残る方が効果的です。
もっと確実な方法として、歯磨き後普通にしっかりうがいをして、唾液の分泌の少ない寝る前にフッ素入りのジェル歯に塗って寝るという方法もおススメです。
歯科医院でのフッ素塗布と自宅でのフッ素を併用しても大丈夫なの?
作用機序が違うので、併用して問題ありません。
歯科医院で使用しているフッ素の濃度は9000ppmです。
毎日ご自宅でフッ素で虫歯予防をして、あとは定期的に歯科医院で高濃度のフッ素を用いて予防を行っていくのがベストではないかと思います。
フッ素入りの洗口剤について
他にも洗口剤と言ったうがい薬のようなものによるフッ素の応用もオススメです。
洗口剤は歯磨き粉やフッ素入りジェルよりも細かい部分にフッ素が入り込んで虫歯を予防してくれるので、予防効果が高いです。
つぼい歯科クリニックではミラノールという洗口剤をおすすめしています。
就寝前にうがいをします。
お口の中にフッ素が残っている状態において、歯の表面構造が変化していきます。
先ほどの歯磨きの後のうがいもそうですが、お口の中にフッ素が残っているということが重要なんです。
寝る前洗口剤でうがいをして、そのまま寝るというのは理にかなっているように思います。
年齢やお口の中の状態によっても、より良いフッ素の使い方が異なりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
- フッ素とは歯の表面に作用し、歯を丈夫にします。
- 高含有量のフッ素入り歯磨き粉が発売されましたが、6歳未満のお子さまのいるご家庭では注意が必要です。
- フッ素はお口の中に長時間残っていることが大事なので、寝る前にフッ素入り洗口剤の使用がおススメです。
幼稚園、小学生のこどもの成長に合わせた自宅での歯みがきポイントとは?
2019年4月28日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。
まだまだ肌寒い日もありますが、季節は確実に変わっていきますね。
また、先日は、新しい年号の発表もあり、僕は季節だけでなく、時代の変わり目まで感じてしまいました。
お子さんもそれぞれ進学、進級され、新たな目標を立てたりされていると思います。
つぼい歯科クリニックでは、定期健診時に、個々のお子さまに合った歯磨きの指導をしています。
今回は、お子さまの成長ステージに合わせた、ホームケアの目標をテーマにお話していきます。
お子さまの成長ステージに合わせたホームケアの目標
1)赤ちゃんや未就園児について
ポイント 食習慣
この時期は、歯磨き習慣よりも、食生活習慣が虫歯に影響する割合が多いです。
母乳に対する対応や、食生活に対する指導が中心です。
参考:卒乳が遅くなると、こどもが虫歯になりやすいと聞きました。本当ですか?
2歳くらいの子どもの歯と食事の関係
2歳半ぐらいの子どもの食事、おやつと噛むことのかかわり
3歳ぐらいの子どもとフッ素とキシリトールについて
歯磨きも自分でやりたがるお子さんも多いと思いますが、歯ブラシを本人用に持たせることはあっても、歯磨きの主体は保護者による仕上げ磨きです。
参考:こどもが歯磨きを嫌がってさせてくれません。どうすれば良いでしょうか?
また適宜、フッ素を使用することも重要です。
2)幼稚園児
ポイント 食生活+仕上げ磨き+フッ素
幼稚園児では、食生活も重要ですが歯磨きの重要性も増してきます。
乳歯が生えそろうと、乳歯は歯と歯が面でくっついているので、保護者の方によるフロスの使用が効果的です。
また、年長ぐらいになると6歳臼歯など永久歯が生えてきます。
そのため、個別にしっかり磨くと共に、フッ素を効果的に使用することが望まれます。
3)小学生低学年(2年生まで)
ポイント 歯みがき+仕上げ磨き+フッ素
この頃になると、永久歯も前歯と6歳臼歯がだいたい生えそろいます。
6歳臼歯が萌出したり、乳歯が生え変わる時期では歯茎が痛いなど、いろいろなことがありますが、
ほとんどは不潔性の歯肉炎の状態であることが多いです。
少し痛くてもしっかり磨く事が重要ですので、永久歯の磨き方をしっかり指導します。
また本人のみで磨きたいなどの発言も増えますが、歯質の面からも7-8歳までは保護者様に仕上げ磨きをしていただきたいのが、歯科医の本音です。
4)小学校中学年(4年生頃まで)
ポイント 歯みがき+フッ素
このころになると、乳歯がだいぶ抜け出します。
また、6年生でしっかり自分でコントロール=自律的に磨いていくのを目標とした場合、急に自分で磨く事が重要になってくる時期です。
お子さんもまだ思春期前で、素直な面もありますので、歯垢染色液などを定期的に使用して、自分で苦手な部分の磨き方を習得できるよう、指導します。
フロスも時間はかかりますが、自分でできる子もいます。あきらめずにチャレンジさせてみましょう。
5)小学校高学年(6年生頃まで)
ポイント 自律的な歯みがき+フッ素
小学校も高学年ともなりますと、思春期の入りかけです。このころになると、自分でできる自律的な歯磨きが大事になります。
『お口を開けて』なんて言っても、嫌がられる場合もありますので、かえって第三者の目=歯科医院での指導が大事になる時期です。
僕も5年生の娘がいますが、声掛けには悩みます。
実際、この時期に幼若永久歯での大きな虫歯が見つかる方も多くいます。
この時期に大きな虫歯になると、お子さまが将来30~40代になった時に、厳しい状態になるケースが多いです。
また、本格的な矯正なども視野に入る時期ですので、歯科医院をしっかり利用して適切な指導をするのが重要であると考えます。
お子さまの乳歯が虫歯だらけで心配、という保護者の方へ
たとえ乳歯で虫歯が多くても、生え変わりでリセットがかかります。
永久歯の萌出直後の弱い時期を上手に乗り越えれば、その後の虫歯リスクはかなり低くなります。
小学生の時期は状態も心も大きく変わるので、保護者の方、歯科スタッフともに、お子さまへの声かけ・かかわり方が重要です。
保護者の皆様、ご自宅でも、お子さまへの適切な声掛けや指導をよろしくお願いします!
まとめ
いかがでしたか?
- 子どもの年齢、時期によって、歯磨きにおいても、目標が違ってきます。
- 小学校高学年での自律的な歯磨きを目指して、段階的に指導するのが重要です。
- 永久歯での健全な口腔内状況を目指した、適切な指導とフッ素等の使用が大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
しみる~歯の痛みの原因と治療法について~
2019年3月30日
こんにちは。岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
突然ですが、冷たいお水がしみたりするということはありませんか?
寒い季節だと、症状が強い方では、息をするだけでしみるということもあるみたいです。
冬だけでなく、これからの時期は氷やアイスクリームを食べるとしみる、という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は「歯がしみる」場合の原因や治療をテーマにお話ししていきます。
歯がしみる原因とは?
歯の中には神経が通っています。
しみている状態というのは、その神経まで刺激が伝わっているといるということです。

①象牙質の露出
歯は内側から、神経(歯髄)、象牙質、エナメル質でできています。

神経はもちろんですが、この象牙質も神経まで刺激を伝えてしまうんです。
歯が削れて象牙質が露出してくることもありますし、虫歯などによっても象牙質が露出してしまいます。
②虫歯
もちろん虫歯でしみることもあります。
虫歯が進行してくると冷たいものだけでなく、熱いものもしみるようになることがあります。
虫歯で歯が溶けていき、刺激が歯の神経に伝わります。
虫歯でしみている状態は、歯に穴があいていて、そこから刺激が神経に伝わっている可能性もあります。
虫歯で傷んだり、しみたりする状態というのは、ある程度進行した虫歯の可能性も高いです。
③歯周病
虫歯以外のケースでは、歯周病も歯がしみる原因になることがあります。
歯周病が進行していくと、歯のまわりの骨が減っていきます。
骨が下がっていくといったほうが状態を言い表しているかもしれません。
骨が減ると、歯のしみやすい部分が露出してくることになります。
歯の根っこにあたる部分(歯根と言います)は、刺激に敏感です。
かみ合わせなどの影響で骨が下がることもあります。
④くさび状欠損
歯と歯ぐきの境目あたりの歯の根元の部分が擦り減っていってしまうことがあります。
かみ合わせなどの力による作用や、歯ブラシで磨く力が強すぎたり、磨きすぎによっておこることもあります。
だんだん神経近くまで擦り減っていくので、しみてくることもあります。
歯がしみる時の治療法は?
歯がしみる原因に合わせた治療を行います。
- 虫歯や歯周病の治療を行う
- しみる部分にしみ止めを塗ったり、表面をコートして、刺激を伝わりにくくする
- 知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏用の歯みがき粉を使うコツ
コツとしては、しみる部分に多めに使うと良いです。
奥歯がしみるのに前歯から磨き始めていくと、肝心の奥歯を磨く時には、歯磨き粉が薄まった状態になってしまうのでもったいない使い方になってしまいます。
しみる部分から磨くといった工夫をするといいようです。
歯がしみる場合、原因が色々ありますので、
気になる歯がありましたら早めに検診に来ていただくのがベストかなと思います。
まとめ
いかがでしたか?
- 歯がしみる原因としては、象牙質の露出、虫歯、歯周病、くさび状欠損などがある
- 治療法は原因によって異なるが、原因疾患の治療やしみ止めを塗る、コーティングする、専用の歯みがき粉を使うなどがある
- 原因によって治療法が違うので、気になっている方は早めの受診をおススメします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
エナメル質とその形成不全について~治療と原因~
2019年3月25日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
卒業式・入学式のシーズンですね。
桜の話題もちらほら出だしましたが、暖かい日もあれば、まだまだ寒い日もあります。
季節の変わり目ですので、皆さん体調管理には気をつけてくださいね。
さて、つぼい歯科クリニックでは、歯のエナメル質の状態を口腔内カメラなどでご説明することがあります。
また、エナメル質の形成不全を見かけることもよくあります。
今回は、エナメル質とその形成不全をテーマにお話ししていきます。
1)エナメル質とは?
そもそもエナメル質とはなんでしょうか?
歯の表面に厚いところで2ミリぐらいある、人間で最も硬い組織です。
硬さは、水晶並みですが、その代わりに脆く、割れやすい特徴があります。

エナメル質は皮膚と同じ外胚葉由来で、中胚葉由来の象牙質や歯髄とは性質が異なります。
2)エナメル質の破壊について—虫歯
エナメル質は大変硬い、強い組織ですが、いくつかの弱点があります。
その一つが酸に弱いこと、つまりは虫歯です。
虫歯はCの0-4までの5段階で評価されますが、大きな虫歯はC2以上となり、エナメル質内に限るものをC1、エナメル表面の異常(脱灰:白濁、粗造、褐色変化)をC0もしくはCeと表記します。
院内や当院の院長・ドクターブログでは「初期むし歯」とご説明しております。
特にC0段階であれば、フッ素塗布によって治ることがあります。
ですので、
つぼい歯科クリニックではこの段階の患者さまには、積極的に院内でのフッ素塗布やご自宅でのフッ素入り口腔ケアグッズの使用をおススメしています。
写真を撮って説明しているのもこの段階です。
3)エナメル質の破壊について—エナメル質の形成不全
次によくあるのが、エナメル質の形成不全です。
エナメル質形成不全になると、生えてきた歯には様々な異常が見られます。
エナメル質形成不全が起きている歯の特徴
- 濃い白色の部分がある
- 茶色くなっている
- 表面にくぼみや穴がある
特に歯がしみる場合は、エナメル質がすごく薄くなっていることがあり、注意が必要です。
エナメル質形成不全が起こる原因
局所的なものの場合
- 虫歯によって乳歯の根っこに異常がある
- 転倒などによって乳歯をぶつけて損傷した
その後に生えてくる永久歯がエナメル質形成不全を起こす場合があります。
全体的なものの場合
- 全身的な疾患
- 遺伝性
- 外胚葉異形成症や表皮水泡症など、由来が一緒の皮膚にも異常があるもの
遺伝や疾患が原因のものは比率としては1万人に1人ぐらいの頻度です。
また、早産や栄養不良などが原因でエナメル質に形成不全があるものもあります。
4)治療について
エナメル質形成不全の治療も虫歯の治療とほとんど同じです。
程度の軽いものは、フッ素塗布を主体とした経過観察で様子を見る場合が多いです。
程度の重いものは、セメントや樹脂でのコーティングが重要です。
しみてる歯はかなりエナメル質が薄く、生えたての歯は神経が太いです。
よって、修復物が取れやすくなるデメリットはありますが、できる限り歯を削る量を少なくして、エナメル質の代わりになるものを足していくことが大事であると考えます。
まとめ
いかがでしたか?
- エナメル質は歯の表面を覆う、人体で最も硬い組織です。
- エナメル質に異常をおこすものとして、虫歯とエナメル質形成不全症があります。
- エナメル質の形成不全症には部分的なものと全身的な要因が原因のものがあります。
- 治療法は、虫歯治療とほぼ同じで、フッ素塗布や樹脂でコーティングを行います。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
5-6歳のお子さんの自宅でできる歯並び矯正とは?
2019年3月3日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
まだまだ寒い日もありますが、暦の上では春になり、花粉情報なんかも出始めましたね…。
アレルギー性鼻炎のある僕も、つらいシーズンです。
最近、歯並び相談などを受ける際によく聞かれるのが「家庭でできることないですか」というのがあります。
ご家庭でできること・・実はたくさんあるんです。
歯並びは歯列(しれつ)と咬合(こうごう)に分けられます。
1)歯並びは歯列と咬合(咬み合わせ)に分けられます。
歯列とは
叢生(そうせい)や八重歯など
咬合とは
歯の咬み合わせ(出っ歯や受け口、開咬、噛み合わせのズレ(交差交合))など
特に咬合に問題がある場合は、口の機能全体に影響が出る場合があります。
2)歯並びを治療するには順番がある
歯科医が歯並びを治療するには、鉄則ともいえる順番があります。
- 機能的な異常の問題
- 前後的な問題
- 上下的な問題
- 幅の問題
まず、手をつけなければいけないのはお口の機能的な問題です。
Ⅰ.機能的な問題(お口の悪い癖)
指しゃぶり、頬杖、舌の動きの異常、左右の咬み合わせが違う交差交合、鼻詰まり(口呼吸)などがあげられます。
Ⅱ.前後的な問題・上下的な問題
出っ歯や受け口と言われる前後的な問題、咬み合わせが深い過蓋咬合(かがいこうごう)などの上下的な問題を治療することとなります。
※開咬(かいこう)は機能的な問題の要素が多いので、そちらに含まれます。※
幅の問題は(叢生〔そうせい〕や八重歯などの歯列)は最後です。
3)機能的な異常の治療は、家庭でも治せるものもある
機能的な問題の中には、先ほど挙げた指しゃぶり、頬杖、鼻詰まり(口呼吸)などが含まれます。
頬杖
家庭で正しい姿勢で過ごすことなどや座り方などで改善することがあります。
指しゃぶり
精神的な要素が多く、歯科のみでは改善しません。
また鼻詰まりもアレルギー体質であれば難しい問題であり、耳鼻科で治療する必要があります。
4)スマホで歯並びも悪くなる?
また最近多くみられるのが、お口が開いてるお子さんです。
この場合、原因はいくつか考えられます。
鼻が悪い、舌が下の歯に当たっている(低位舌)。
そういった問題がある子もいますが、関係あるのがスマホの見過ぎです。
ゲームすると下を見るためにストレートネックとなり、首が前に落ち込み、舌も下に落ち込み、その結果お口が開いている…
お子さんはそんなことになっていませんか?
5)結局は体も心もバランスが大事です。
僕も姿勢が悪く、歯並びも矯正して直しましたので、大きなことは言えませんが、最近特に、歯並びと姿勢には深い関連性が示されています。
また指しゃぶりや癖には心の動きが関連しており、歯科だけでは治せない問題が多く含まれます。お子さんの歯並び以外に問題がないか、歯並びを見る際に少し考えてみませんか?
まとめ
いかがでしたか?
- 歯並びは歯列と咬合に分けられる。
- 歯並びを治すには順番があり、まず機能的な異常が問題となる。
- 機能的な問題の中には、癖や習慣などは家庭で注意すれば解決できることもある
「うちの子はどうかな…?」と思われる方は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
歯周病は骨が溶けている!?自宅でできる治療法とは
2019年3月3日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
前回の虫歯のはなしに続いて、今回は歯周病をテーマにお話ししていきたいと思います。
歯周病ってよく聞くけど、結局どんな病気なの?
みなさんは歯周病をご存知ですか?
「テレビの歯みがき粉のCMで聞いたことあるよ」という方もいれば、
「知らないなぁ」という方もいらっしゃるかと思います。
歯周病=骨が溶けている
歯周病って歯を支えている骨が溶けてきているってことなんです。
こう聞くと、「ちょっと怖いな」と思った方もおられるかもしれませんね。
骨は溶けていないけど、歯の周りに炎症があって、歯ぐきが腫れている状態を歯肉炎と言います。
歯磨きしてて血が出る時は、歯肉炎かもしれません。
歯周病が悪化すると歯が抜けることも…
歯の周りの骨が溶けてくると、歯がグラグラしてきたり、ひどくなると歯を抜かないとならないケースも出てきます。
歯を抜かなくてはならない原因としては、40代以上では虫歯よりも歯周病の方が多いそうです。
歯の土台が弱っていく歯周病って怖いですね。。。
歯周病の原因とは
歯周病ってなんで起こるかって言いますと、歯の周りの汚れ(プラーク)が原因なんです。
歯の周りには溝があって(歯周ポケット)、そこに汚れが溜まりやすくなります。
歯の周りの汚れは細菌の集まりです。
虫歯は細菌が口の中の糖から酸を作って、歯を溶かします。
一方、歯周病は、細菌に対して自分のカラダを守ろうとする反応として炎症が起こります。
この炎症反応により、自分の骨が溶けちゃうんです。
骨が溶けてしまうと、歯の周りの溝の深さもさらに深くなっていきます。
そして、さらに汚れも取りにくくなる…と、悪循環に陥ってしまいます。
自宅でできる歯周病の治療法とは?
歯周病で骨が溶けてしまっていて歯の周りの溝が深くても、口腔ケアをがんばって歯ぐきが引き締まっていくと、溝の深さは浅くなり、汚れも溜まりにくくなります。
汚れが溜まりにくくなった状態で、口腔ケアをがんばっていると、次第に炎症も改善してきます。
具体的には何をしたら良いの?
では歯周病の症状を改善したり、歯肉炎から歯周病に進まないようにしたりするためには、何をしたら良いのでしょうか?
①自分にあった口腔ケアグッズを選ぶ
口腔ケアグッズには歯ブラシやフロス、歯間ブラシ、歯磨き粉、フッ素入りジェル、うがい薬、タブレットなど今は非常にたくさんの種類があります。
そしてそれぞれにたくさんの種類の商品があります。
色々試してみて、ご自分に合ったものを探すというのも一つの手ですが、
「たくさんありすぎてよくわからない。」
「良い商品のように思うけど、自分に合っているかどうかわからない」
という方もいらっしゃるかと思います。
歯みがきの癖、口の中の状態、年齢、ライフスタイル、体の状態によって、ご自分に合った口腔ケアグッズは変わります。
自分に合ったものがどんなものを知るためにも、歯科医院に定期検診で受診することをおススメします。
歯科医師や歯科衛生士がお口の状態やライフスタイルをチェックして、あなたに合った口腔ケアグッズの選び方や使い方のご相談に乗ります。
②口腔ケアグッズを正しく使う
日本人の大部分の方が毎日歯みがきをしているにもかかわらず、虫歯の方も歯周病の方もとても多いです。
実は、歯みがきや口腔ケアを「ちゃんと正しく行う」ことは、とっても難しいんです。
子どもの頃から毎日していることなので、簡単に感じている人もいるかもしれませんが、もし簡単なら、多くの人がこんなに虫歯や歯周病には罹っていないはずです。
自宅で取り切れない分は歯科医院でプロケアを行うのがおススメ
歯科医院で歯石を取り除きましょう
歯の汚れ、歯垢(プラーク)は細菌の塊ですが、その細菌の死骸が硬くなったものが歯石です。
歯石になってしまうと、ご自宅の歯みがきでは取り除くことができなくなります。
また、歯石は毒素を出し、歯ぐきに炎症を起こし、骨が溶けてしまう歯周病の原因となります。歯石を除去すると、歯ぐきの炎症も改善します。
ご自宅で毎日の口腔ケアを行うとともに、定期的に歯科医院で検診を受けて、虫歯や歯周病のチェック、ご自分にあった口腔ケアの方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
- 歯周病は骨が溶けている怖い病気です。
- 歯周病を自宅で治すためには、自分に合った口腔ケアグッズと正しい使い方を知ることが大切です。
- 歯石の除去は歯科医院でしかできないので、口腔ケア方法と歯石除去のために、定期検診に受診されることをおススメします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「虫歯=歯が溶けている」ってご存知ですか?
2019年2月1日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
あなたは虫歯と聞くと何を思い浮かべますか?
虫歯になると歯に穴が開いてしまったり、痛くなってしまうイメージでしょうか?
そもそも虫歯ってどんなものなの?
虫歯を大まかに言うと、お口の中の細菌の作用によって歯が溶けるということです。
「虫歯は感染症」という言葉をお聞きになったことがある人もいるかもしれません。
歯を溶かす代表的な細菌としてミュータンス菌があげられます。
「ミュータンス菌という名前を聞いたことがある!」という人も多いのではないかと思います。
そうなんです。虫歯って歯が溶けているんです。
開いた穴は自然には埋まりません。
だから虫歯って自然には治らないんです。
ミュータンス菌が口の中にあるだけで虫歯になってしまうの?
細菌が歯をとかすには砂糖が必要です。
「キシリトールが歯に良い」とよく言われているのは、ミュータンス菌がキシリトールからは上手に歯を溶かす物質を作れないので、結果として、歯を溶かすことがなく虫歯にならないといった感じです。
生活の中で砂糖を取らないで生きていくのは無理なのでは…
しかし、生活の中で砂糖を全くとらないというのも無理がある話ですよね。
食事をすると歯が溶け始めます。(これを脱灰:『だっかい』と言います)
しかし、溶けてもある程度戻ります。(これを再石灰化『さいせっかいか』と言います)
実は、歯は溶けても、ある程度は元に戻る可能性があります。
この状態を初期う蝕(しょきうしょく)と言って、フッ素の活用や自宅でのお口のケアなどで、再石灰化優位な状態を保てたら、虫歯が進行していきません。
虫歯あるある、その1 「ショック!表面からは大きな虫歯に見えないのに、歯の中で大きな虫歯に広がっていた!」
歯は、表面からエナメル質、象牙質、歯髄(いわゆる神経ですね)と言った順になっています。

エナメル質は歯の表面にあるだけあって、象牙質と比べると虫歯に対しても強いです。(溶けにくい)
「歯の表面に少し黒いとこがあるなぁ」と思っていたら、実は歯の中にゴッポリ大穴があいているということも…。
虫歯が進行していくとエナメル質を溶かし、象牙質まで到達します。
エナメル質よりも象牙質の方が溶けやすいので、歯の中で大きく虫歯が広がってしまうことがあります。
中で虫歯が広がるなんて厄介ですよね。
歯と歯の間も、中で広がるという点では同じような感じです。
虫歯あるある、その2「しみるから知覚過敏だと思っていたら、虫歯だった…」
虫歯が進んでいくと神経近くまで溶けていきます。
象牙質に刺激が伝わると、しみたり神経の反応が起こります。
虫歯でしみたりする場合は、すでに象牙質まで虫歯が進行している可能性が高いかもしれません。
また、虫歯でしみているなら虫歯は大きいかもしれません。
しかし、しみるからといって、必ずしもむし歯ではないケースもあります。
知覚過敏や歯ブラシでゴシゴシこする人は、虫歯でなくても歯がしみることもあります。
虫歯あるある、その3「虫歯をほっておいたら、ズキズキした痛みが出てきた」
さらに進行して神経まで虫歯が影響を及ぼすと、ズキズキ痛むこともあります。
虫歯で歯に穴が開いてしまっていたら、さらに治療も大変になります。
神経の治療は、歯科医院で「長く治療がかかる治療ナンバー1」です。
患者さんも通うのが大変、治療する歯科医師もとても大変です。
虫歯を作らない・早めに治療することが、通院回数も痛みもかかるお金も少なく、歯も失わない方法です。
まずは定期的に虫歯のチェックにぜひいらしてください。
もしむし歯ができてしまっても、早めに見つけて、小さいうちに一緒に治してしまいましょう。
まとめ
いかがでしたか?
- 虫歯は、細菌と砂糖によって、歯を溶かされている状態です。
- 一見小さなむし歯でも、歯の中で大きく広がっていることもあります。
- 虫歯が進行すると、しみたり、ズキズキした痛みが出てくることがあります。
- 検診で早めのチェックをして、通院回数も痛みもかかるお金も少ない予防を一緒に行いましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
3歳ぐらいの子どもが食べるのが遅すぎる、というお悩みについて
2019年1月24日
こんにちは。岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
最近、お子さまの日ごろの様子をお伺いする中で、よく出る話題が、
「うちの子、食べるのがおそいんです。」というのがあります。
また近年、歯科の学会でも「食」の話題はよく出てきます。
「食」は口腔機能が大きくかかわっており、なかなか奥深い世界です。
低年齢児と高校生ぐらいだと、口や嚥下の仕組みも大きく変わってきますので、今回は悩みの多い3歳ぐらいを中心にお話していきます。
「食べる」という行為は以下の7つの流れを経て、初めてできます。
食べるという行為の流れ
認知期(にんちき)
①食べ物を認識し、食べたいと思う
咀嚼期(そしゃくき)
②箸やスプーンで食べ物をつかむ⇒③唇まで食べ物を持って行く⇒④口があき⇒⑤歯で咬んである程度の大きさにする
嚥下期(えんげき)
⑥舌の上に乗せて喉付近までもっていき⇒⑦咽頭部で食道の方に流れていく
①~⑦のどこかに問題があると、食事が遅い、難しいという結果になります。
3歳ぐらいのお子さんの「食べるのが遅い」原因とは?
1.そもそもおなかがあまり減っていない
3歳ぐらいでは、体が小さく、あまり遊ばなかった場合、おなかがすかないことも多いです。
その場合、食べる欲求や認知がうまくいっていません。
食べムラがある場合も多いですが、間食を減らしお腹のすくような生活を心がけましょう。
2.集中できない、姿勢がよくない
テレビ等がついていると、食事に集中しないため、食べることが遅くなります。
また、足の裏が安定しない高い椅子だと、姿勢が悪くなり、掻っ込むような体制で食べやすくなります。
3.一口量がわかっていない
一口量がわからず、掻き込んで食べるお子さんはかなり多いです。
一口量が多すぎると、飲み込めないため、嚥下までの時間が長くなります。
コントラストの強いお皿で、一口量を示すことも重要です。
また、箸は習得できる時期がありますので、手掴み食べなどの時期は練習期間と思って無理させないことも大事です。
4.唇が敏感すぎる、鈍感すぎる
食物を認知し、口付近までもってきたら、いよいよ口に入ります。
その際、まず上唇が伸びて捕食体制になるのですが、唇に問題がある場合があります。
上唇が適切に動いていないと、口が開いてくちゃくちゃと食べる状態になります。
唇が過敏な場合が原因である場合が多いので、唇のマッサージや運動などを行って、適切に発達させることが有効です。
5.歯で咬めていない
歯で咬めない原因には、指しゃぶりなどの影響で前歯が噛んでおらず咬めない、歯並びの場合と、虫歯等で噛めない場合があります。
虫歯が4-5本もあると、咬む力は1/4程度まで低下するという報告もあります。
6.喉の付近までもっていけない
歯並びの影響などで前歯が噛んでいない場合、舌の動きが通常と異なります。
唇と歯で口の開口部を閉じ、陰圧にすることで食物を喉付近までもってくるのですが、前歯が開いていると、何とかして閉じないと飲み込めないので、代わりに舌を前に持ってくることになります。
結果、食事時に舌がちろちろ見える状態になります。
7.喉付近が狭く、飲み込みにくい
3歳ぐらいの場合、アデノイドと呼ばれる喉付近の免疫組織が異常に大きいお子様も多く、喉が狭く、食物が飲み込みにくい場合があります。このような場合、鼻も詰まっていることが多く、いびきや睡眠時無呼吸などがみられる場合があります。
小さなお子さんにとって、食事と発達は最も大事なことです。
食事の問題は、家庭で解決できること、歯科で解決できること、耳鼻科や小児科などで相談すべきことが混在しています。
保護者の方で判断が難しいケースも多いかと思います。
「お子さまの食事のことでご心配がある」という保護者の方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
いかがでしたか?
- 食事は認知期、咀嚼期、嚥下期にわけられる。
- 3歳ぐらいで各時期の発達や状態によって、トラブルが起きる場合がある。
- それらのトラブルは家庭で解決できること、歯科で解決できること、耳鼻科や小児科など専門的機関で相談すべきことが混在している。お気軽にご相談ください。
最後までおよみくださり、ありがとうございました。
6歳ぐらいの子どもと矯正治療について
2018年12月25日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。
今年も年の瀬になりました。
今年一年皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。
いい子のみんなのところにはサンタさんがやってきたよね⁉
つぼい歯科クリニックでは、定期的に健診を行い、皆さんの歯の健康を保つ努力をしておりますが、虫歯の心配と共に、よくあるのが歯並びの心配です。
最近も保護者の方から「遺伝で歯並びが悪くなる可能性が心配です」「現在の乳歯の隙間が狭いのが心配です」というご相談をよく受けます。
そこで、今回は歯並びをテーマにお話ししていきます。
歯並びが悪くなる原因とは
歯並びはいろいろな要素がありますが、やはり家族の中で似通ってきます。
ご家族で似たような歯並びになる原因としては、遺伝と、同じような生活習慣をしていることがあげられます。
遺伝によるもの
・歯の大きさ
・顎のバランス、大きさ
生活習慣によるもの
・口呼吸
・指しゃぶりなどの癖
・姿勢
歯の大きさと、顎のバランスで歯並びは半分決まります。
その他のアレルギー・体質・性格・姿勢などの因子や食生活も、家族間ではなにかしら似通っているので、家族間で似たような歯並びになりやすいです。
次に、歯並びに関するご相談でよく受けるものに
「歯並び治療はいつごろから行うのがよいのでしょうか?」というものがあります。
歯並び治療を行うのに適した時期とは?
こちらは歯並びの状態や、お子さまの年齢、治療への協力度などによって変わってきます。
不正咬合にも、様々な状態や種類があるので、一概にも言えませんが、かなり重度な場合、中程度な場合、軽度な場合に分けられ、治療法も異なります。
軽度~中程度な場合
顎の拡大や簡単な矯正装置で改善する場合もあります。
重度な場合
顎の拡大だけでは無理で、抜歯を伴う矯正が必要となるケースも多いです。
2~4歳
早期治療ではマウスピースを用いたり、低年齢から始めることができる歯並びを良くするトレーニングを行うこともあります。
6歳~7歳ぐらい
下顎4本、上顎2-4本の前歯が交換する頃だと、歯並びも将来的な予測ができますので、かなり精度の高い治療が可能となります。
軽度や中程度の不正咬合の場合、それだけで治療が完了する場合もあります。
12歳ぐらい
永久歯に生え変われば、もはや咬合としては95%ぐらい完成しているので、抜歯を含めたすべての治療が可能となります。
以上のように、矯正治療はお子さんの状態と時期の組み合わせにより、治療パターンは少なくとも10~12通りぐらいありえます。
我々歯科医師はその中でなるべくベストなパターンを診断し、そのメリット、デメリットをお伝えします。
そういう私も矯正治療を受けた経験があり、今となってはよかったなと思っています。
治療としては、健康保険がきかず自由診療となりますが、その成果は一生ものの価値があると思います。
いずれにしても、お子さまの歯並び矯正治療は、保護者の方の積極的な協力がないと難しいケースも多いです。
そのため、保護者の方にもしっかりとした説明をさせていただいております。
歯並びの矯正にご興味のある保護者の方は、まずはお気軽にご質問ください。
まとめ
いかがでしたか?
- 歯並び・咬合は遺伝要素と生活習慣がかなり強く表れてくる。
- 不正咬合の程度や年齢によって治療のパターン、やり方はいろいろあり得る。
- 適切なやり方の矯正をタイミングよくするのが重要ですので、定期検診を行いながら、適切なタイミングを待って矯正を行うのが良いでしょう。
まずはお気軽にお問合せください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
10-15歳ぐらいの子どもと口腔崩壊について
2018年11月27日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
秋もふかまり、車や衣服など、冬に対する準備が必要になってきました。
11月8日は何の日かご存知ですか?
そうです!
118(いいは)いい歯の日です。
春の、歯とお口の健康週間(6月4日:昔の虫歯予防デー)ともに、歯に気をつけようということで、歯とお口の話題がテレビやネットで出てきます。
それによると、近年の各自治体の調査で、全体の虫歯は減っているのに、一部の子供で口腔崩壊が起きているなんて報道がされていました。
このインパクト抜群のワード、「口腔崩壊」。
どういった状態を指すのでしょうか?
口腔崩壊とは?
調べてみると、明確な定義はないのですが、10本以上の虫歯や歯根しかないような未処置の歯が何本もあり、食べ物をうまくかめない状態を指しているようです。
歯科業界では正しくはランパントカリエス(汎発性う蝕)と言います。
虫歯がある子の虫歯の経験歯数を表すDMFTと言われる指数がかなり昔からあるのですが、12歳のDMFTは昭和50年代(現在40歳から50歳)の5.9本をピークに、減少を重ね、最新の調査では全国平均0.82で1本以下になりました。
(ちなみに、山口は0.7で10位タイ:いい方です!!)
その一方で、
口腔崩壊と言われるような状態のお子さんも半数以上の学校で存在することが明らかになっています。
つまりは虫歯が全くないお子さんも多い一方で、虫歯がある子には大量に虫歯が存在する、そういった2極分化が明確になってきているという事なんですね。
ただ、小学校での調査によると、経済的な理由というよりは、治療や通院の困難さ、スポーツ少年団活動など、本人や保護者の日常の忙しさ等の理由で、歯科医院にいけないという訴えが多いといったことが指摘されています。
実際、治療に関しても半年~1年近くかかることも…。
口腔崩壊状態によって引き起こされる、二次的なリスクや悪影響は以下のようなものがあります。
口腔崩壊状態による悪影響とは?
- さらなる虫歯や歯周病を引き起こす
- 口臭の原因となる
- ひどい場合その部位から感染症に発展する
- 顎がしっかり発達せず、永久歯の歯並びが悪くなる、
- 虫歯の痛みなどで物事に集中できなくなる
- 硬いものが噛めなくなるため食事内容が偏り、お菓子やジュースなど軟らかいものが中心の食生活になってしまう
- 外見を気にして他人とコミュニケーションをとることが減る、いじめの原因などになる可能性がある
こうして見ると、口腔崩壊と一言で片付けられないくらいの二次的な影響が多くあることがわかります。
虫歯は感染症

虫歯は感染症です。
そのため虫歯を放置しておくと、感染源の遮断が永遠にできないので、最大のう蝕(虫歯)リスクとなります。
私の大学時代の実験でも、活動的な虫歯がある人の菌は、大量(1000倍~1億倍までも計算上あり得ます)かつ、性質も強いことが明らかになりました。
菌は指数対数的に一気に増えるので、そのため虫歯も一気にふえます。
だからこそ治療、そしてその後は口腔内環境を維持する、このサイクルが重要なんです。
虫歯が多い人は一度頑張って治療し、その後はそれが維持できるようにしていきましょう。
我々の歯科医院は皆様の口腔の健康、そして維持、それを強く望んでいます。
まとめ
いかがでしたか?
- 近年虫歯の経験歯数は減少する一方で、口腔崩壊といわれるぐらいの多くの虫歯を有する子もおり、2極分化されている。
- 口腔崩壊によって引き起こされることは、虫歯のみに限っておらず、ダメージが大きい。
- 虫歯の治療は、今後の歯を守る最大の予防ともなり大変重要である。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。